【7月30日 AFP】2017年に相次いでハリケーンに見舞われた米自治領プエルトリコで、被災者に届けられるはずだった飲料水のペットボトル数万本が未開封のまま、2年ほどたった今も農地に放置されている。緊急支援当局が29日、明らかにした。

 AFPが入手した航空写真では、首都サンフアンから西に40キロ離れた街、ドラド(Dorado)のイギジャル(Higuillar)地区で私有地とみられる場所に、巨大な束となって積み上げられたペットボトルが海のように広がっている。ペットボトルの束で地面が見えない様子や、崩れた束なども写っている。

 米連邦緊急事態管理庁(FEMA)の報道官は、2017年9月に発生したハリケーン「マリア(Maria)」の支援活動の一環で、同庁が提供したペットボトルであることを認めた。中に入っている水は賞味期限切れで、ペットボトルは廃棄やリサイクルに回されるはずだったという。

 この報道官は、何本のペットボトルがどれほどの期間放置され、なぜ水の賞味期限が切れてしまったのかなどの詳細を述べることは差し控え、すべての問題は「司法当局が調査中」だと話した。

 2017年9月にハリケーン「イルマ(Irma)」と「マリア」に立て続けに襲われたプエルトリコでは数か月間、広範囲にわたって停電と断水が続き、3000人近い死者が出た。(c)AFP