【7月30日 AFP】イタリア・セリエAのユベントス(Juventus)が今月26日に韓国・ソウルで親善試合を行った際、チームのスーパースターであるクリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)がベンチに座り続けたことで、同国ファン2000人以上が主催者を相手に訴訟を検討していることが分かった。地元の法律事務所が29日に明らかにした。

 ポルトガル代表のFWロナウドは、チームがKリーグ・オールスターと対戦した試合で1秒もプレーせず、スパイクのひもを結べという観客の要求にも応じなかった。これに怒りを募らせた一部ファンは、同選手のライバルでアルゼンチン代表のリオネル・メッシ(Lionel Messi)の名前をチャントする始末だった。

 法律事務所の話によると、試合の開催が最初に発表された際に、主催者はロナウドが最低でも45分間はプレーする契約であると明かし、そのため多くのファンが殺到した。代金が3万ウォン(約2800円)~40万ウォン(約3万7000円)に設定されたチケットは、販売開始からわずか2時間半で売り切れたという。

 法律事務所の弁護士は、AFPの取材に対して、「これまでに2000人以上のファンが、訴訟を求めて当社に連絡してきている」「もし主催者側がチケット所有者への賠償に関する具体策を示さなければ、われわれはファンを代表して来週にも正式に訴訟に踏み切る計画を立てている」と述べた。

 当日はユベントスが中国・南京(Nanjing)からの飛行機が遅れて試合開始予定の5時間前に現地入りしたため、キックオフも約1時間遅れてしまった。

 主催者であるファスタ(The Fasta)の最高経営責任者(CEO)は、韓国の放送局SBSで涙ながらにインタビューに応じ、試合中にユベントスのパベル・ネドベド(Pavel Nedved)副会長にクレームを入れたが、「私もロナウドの出場を望んでいる。しかし、彼はプレーしたくないと言っている。申し訳ないが私にはどうしようもない」と返されたと話した。またCEOは、主催者としてチケット購入者への「補償方法」を模索していくと付け加えている。

 この騒動で、ロナウドはソーシャルメディアで批判の的となっている。試合を観戦した韓国人の一人はインスタグラム(Instagram)に、「彼は6万人の観客を裏切り、軽く扱った」「もう自分はロナウドのファンではない」と投稿した。(c)AFP