【7月30日 CNS】夏に公共の場で男性が上着を着ないか、まくり上げて上半身を露出する「北京ビキニ」について、済南(Jinan)、天津(Tianjin)、瀋陽(Shenyang)など多くの都市で規制措置が通達された。違反者には指導警告、氏名公表が行われ、また一部の都市では50元(約790円)から200元(約3150円)までの罰金まで科されるようになった。また、はだしも規制の対象となっている。 

 中年男性の「北京ビキニ」の姿は昔から見られ、「北京」といっても特に地方色はない。南から北までどこに行っても、真夏の木陰、食品市場、街角など、至る所で見受けられる姿だ。

 都市の管理部門はこれまで、市民に対し、下品な振る舞いをやめるよう指導や氏名公表をするだけにとどめていた。しかし、済南や天津などいくつかの都市では、今年から罰金規定が条例に盛り込まれ、いったん通報されれば「ビキニおじさん」には罰金が科される。

 この規制措置に関して、世間では議論がわき起こった。ネット上では「北京ビキニ」に反感を持つ人が大多数だったが、規制措置に対しては意見が大きく分かれた。

 中国ソーシャルメディア大手の新浪微博(Sina Weibo)は、この措置についてネット投票を行った。投票の結果、「規制賛成」が22万3000人、「暑い時には上半身裸も容認」が3万7000人、「指導止まりで可、罰金不要」が4万2000人、「何とも言えない、状況次第で判断」が7万5000人だった。

 著名な企業家でコンピューターのハードやソフトの技術開発会社「錘子科技(Smartisan)」の創始者、羅永浩(Luo Yonghao)氏も新浪微博に「北京ビキニは嫌だが、強制的に管理されるようなものとは思わない」との意見を寄せた。

 中国人民大学(Renmin University of China)法学院の劉俊海(Liu Junhai)教授は「軽く見ても街の景観を損ねるし、重く見れば公序良俗に悪影響を及ぼす」として、この措置に賛成している。

 今のところ、ネット上には「腹出し姿が格好良い」という意見は全く出ておらず、「北京ビキニ」の存在理由は主に涼しいからというだけだ。人民日報(People's Daily)海外版が運営する新メディア「侠客島(Xiakedao)」が最近出した「さようなら肌脱ぎおやじ!各地で『北京ビキニ』に規制の手が」の文章の中では、「市民のために涼める場所を増やすべきだ」というのが最も大事なポイントだった。(c)CNS-法制日報/JCM/AFPBB News