プーチン氏批判のロシア野党指導者、「アレルギー症状」で入院 毒物の恐れも
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【7月29日 AFP】ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領批判の急先鋒(せんぽう)として知られるロシアの野党勢力指導者で、大規模デモを呼び掛けたことを理由に逮捕・収監されていたアレクセイ・ナワリヌイ(Alexei Navalny)氏が28日、「重度のアレルギー症状」を発症して病院に搬送された。同氏の報道担当者が明らかにした。
病院でナワリヌイ氏と面会した、かかりつけ医のアナスタシア・ワシリエワ(Anastassia Vassilieva)氏は、両方のまぶたが腫れ上がり、首や背中、胴や両肘に膿瘍(のうよう)が幾つもできていたとフェイスブック(Facebook)に投稿。ナワリヌイ氏にはアレルギーの既往歴はないとして、「彼の皮膚が第三者によって毒物にさらされ、何らかの化学物質の被害を受けた可能性は排除できない」と述べた。
モスクワでは前日の27日、自由で公正な市議会選を求めるデモが行われ、ロシア当局による拘束状況を追跡する非政府組織(NGO)「OVDインフォ(OVD-Info)」によると1373人が警察に拘束された。デモで拘束された人の数としては、4年間首相を務めたプーチン氏の大統領復帰に抗議して大規模なデモが相次いだ2012年以降で最多となった。
27日のデモは、9月に実施されるモスクワ市議会選で著名な野党候補の立候補登録が拒否されたことを受けて実施されたもので、約3500人が参加。当局の許可は得ておらず、市役所前に集まろうとするデモ隊を警察が警棒を使用して取り締まり、現場にいたAFP記者によると負傷者も出た。
ロシアでは生活水準の低下をめぐって市民の間に不満が広がりつつあり、プーチン大統領の支持率低迷につながっている。
モスクワでは20日にも、野党候補の立候補を認めるよう求めるデモに約2万2000人が参加していた。このデモの後、捜査当局は立候補登録を拒否された複数の候補者の自宅や事務所を家宅捜索。デモを呼び掛けたナワリヌイ氏は逮捕され、裁判所から30日間の拘留を言い渡されていた。
野党勢力は、開かれた選挙を求めて次の週末にも抗議集会を実施しようと呼び掛けている。(c)AFP/Theo MERZ