今年のテーマは「アストン・マーティン」。1921年の11HPから2018年のヴァルカンAMRProまで30台以上のレーシングモデル、さらにDBXやラピードEのプロトタイプまでが走行を披露した!

近年「ムービング・モーターショウ」と呼ばれ、各メーカーにとって既存のモーターショウ並み、いやそれ以上に魅力的なPRの場として認知されているグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードだが、その本懐はやはり、グッドウッド・ハウス前の私道を新旧様々なレーシングマシンが全開で走り抜けるヒルクライムにある。

今年のテーマは、グッドウッド・サーキットにおいて初レースを行ってから70周年を迎えたアストン・マーティンであったが、そのほかにも50周年を迎えたポルシェ917を筆頭に、ベントレー100周年、マーチ・エンジニアリング50周年、メルセデス・モータースポーツ125周年、トゥール・ド・フランス120周年、ホンダWGP参戦60周年、ジャッキー・スチュワート王座獲得50周年、ミハエル・シューマッハ生誕50周年など、様々なメモリアル・イヤーを祝するカテゴリーが用意されていた。

その羅列を見るだけで「いったいどれだけ引き出しがあるんだ!」と呆気にとられてしまうが、それぞれのテーマに合わせたマニアをも唸らせる貴重なマシンが総勢600台以上集まり、所縁のライダー&ドライバーが走らせるのだ。それができるのが彼の地のクルマ社会の奥深さであり、グッドウッドが目の肥えた口煩いイギリス人にも一目おかれる理由といえる。

そんな中でグッドウッドの底力を感じたのが917の50周年だ。本誌でも先月ご紹介したように、現在ポルシェ・ミュージアムでは歴代10台の917を集めた特別展を開催中。よって当初はグッドウッドでの走行の予定なし……と言われていたのだが、なんと世界中の個人オーナーに声をかけ11台の917をかき集め(70年のル・マン優勝車も博物館を抜けてやってきた!)史上最大のデモランを行なってみせたのだ。

もうひとつ強く印象に残ったのが30万人の観客の前で20年ぶりにヒルクライムのコース・レコードを破ったフォルクスワーゲンのEVレーサーID.Rだ。その姿に新たなイメージで失地回復を果たそうとする彼らの執念を感じたのは僕だけだろうか?

917の50周年を祝い世界中から11台が集合。手前はル・マン博物館所蔵の1971年型917LH。

ベントレー100周年を祝い貴重な歴代モデルを集めたコンクール・デレガンスも開催。

サー・ジャッキー・スチュワートが2人の息子を引き連れ、歴代のチャンピオン・マシンでパレード。

ポルシェ・ミュージアムがレストア完成直後の909ベルクスパイダーを持ち込み1969年以来となる走行を披露したのもトピック。

6月にニュルのEVレコードを更新したばかりのVWID.R。ここグッドウッドでも記録を更新し満員の観客に「EVのVW」を強くアピール!

文=藤原よしお 写真=藤原功三

(ENGINE 2019年9月号)

ライカの聖地“ライツパーク”(ドイツ・ウェッツラー)を訪ねる!(前編)

スクーデリア・フェラーリ創立90周年特別展示を見た。跳ね馬の輝ける90年。

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