【7月28日 AFP】ルーマニアで、誘拐された15歳の少女から助けを求める電話が3回もあったにもかかわらず警察の対応が遅れ、少女が拘束されていた家で「遺骨」が見つかった。責任を問われて警察のトップが解任された。

 警察によると、アレクサンドラという名前の少女は24日、ルーマニア南部のドブロスロベニ(Dobrosloveni)の家にヒッチハイクで帰ろうとしたところ、男に車に乗せられ、誘拐された。

 25日朝、少女は何とか緊急電話番号112に3回電話をかけ、拘束されている場所の手掛かりを警察に伝えた。

 警察は報道陣に対し、電話が切れる直前に少女は「彼が来る、彼が来る」と大声で叫んだと語った。少女の親族は、警察は警告を真剣に受け止めず、結果として対応が遅れたと批判した。

 警察は3棟の建物を捜索して少女が拘束されていた家を発見したが、それは少女の電話から12時間以上後のことだった。警察はその後、緊急時には不要とされている捜索令状を請求し、夜明けまで待って家に入った。少女が最後に電話をかけてから19時間後のことだった。

 現場で「人間の遺骨」と少女が身につけていた宝石が見つかり、現在遺骨の調査が進められていると警察が明らかにした。また、同じ家で見つかった65歳の容疑者が拘束され、取り調べを受けている。

 クラウス・ヨハニス(Klaus Iohannis)大統領は「事件への対応を誤り、このように重大な結果をもたらした者は全員、辞職しなければならない」と述べた。

 警察は、3か月前に同じ地域で行方不明になり両親から通報があった別の10代の少女も、同じ男に殺害された恐れがあるとしている。(c)AFP