【7月27日 AFP】インドの警察当局は26日、地元住民を襲った雌のトラが撲殺された事件をめぐり、村人ら4人を逮捕した。

 当局によると、このトラが住民らを襲い、負傷した9人のうち1人が病院で死亡したという。

 同国北部ウッタルプラデシュ(Uttar Pradesh)州にある県の治安判事はAFPの取材に対し、ピリビート(Pilibhit)のトラ保護区から迷い出たこのトラが住民らを襲ったと説明。武装した村人数十人が村に入り込んだトラを囲んで追いかけ回し、こん棒ややりを使って殺したという。

 今回の事件では33人が指名手配され、これまでに4人が逮捕された。だが治安判事は、人間が襲われたことに村人たちはおびえ、怒っていると説明した。

 そうした中、携帯電話で撲殺の様子を撮影した動画がソーシャルメディアで拡散。地面に横たわってほとんど動かなくなったトラを村人たちがたたきのめす様子が捉えられている。

 当局によると、内臓が密売業者の手に渡らないようにトラの死骸は焼かれたという。

 インドでは人間と猛獣との摩擦が増加しており、昨年は約30人がトラの犠牲になった。また今年に入ってから同国各地で60頭超のトラが死んだり、殺されたりしている。専門家らは、野生動物の生息地の縮小と餌不足が原因だと指摘している。(c)AFP