【7月27日 AFP】米国と中米の小国グアテマラは26日、米国に向かう移民がグアテマラに入国した際、同国で難民申請させることを定めた、いわゆる「安全な第三国」合意を締結した。合意案は物議を醸し、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が今週、調印を拒めば厳しい報復措置を取るとグアテマラ側に警告していた。

 トランプ大統領は記者団に対し、合意は「合法的な難民申請者に安全を提供するとともに、難民からの搾取を止める」ものだと述べた。

 同大統領は「この画期的な合意により、コヨーテ(メキシコ経由の移民を米南部国境から数千人規模で密入国させている業者)や密入国あっせん業者は廃業に追い込まれる」と述べた。

 トランプ大統領は今週、米国への不法移民流入を抑えるための合意をグアテマラが拒んでいると非難。報復措置として、渡航禁止措置、関税、送金手数料、または「以上すべて」を課すと警告していた。

 合意は26日、グアテマラのエンリケ・デゲンハルト(Enrique Degenhart)内相とケビン・マカリーナン(Kevin McAleenan)米国土安全保障長官代行により、米ホワイトハウス(White House)の大統領執務室(Oval Office)で署名された。合意内容は、グアテマラ経由で米国を目指すエルサルバドルやホンジュラスからの移民に適用される見込み。

 米非政府組織(NGO)国際難民支援会(RI)は、今回の合意は「非常に憂慮すべきもの」だとし、「中米で最も弱い立場にある人々の一部を重大な危険にさらす」と表明。

 同会のエリック・シュウォーツ(Eric Schwartz)会長は、「難民や難民認定希望者にとって、グアテマラは少しも安全ではない」と指摘した。(c)AFP