【7月26日 AFP】今年4月に火災に見舞われた仏パリのノートルダム大聖堂(Notre Dame Cathedral)で25日、作業員が危険な量の鉛にさらされることを防ぐため、修復作業が中断された。この直前には、鉛汚染の懸念から近隣の小学校と保育所も閉鎖されていた。

 環境団体は火災の直後、ノートルダム大聖堂の屋根に使用されていた数百トンの鉛に火が及んだことから、周辺地域の住民や労働者の健康に危険が及ぶ恐れがあると警告していた。

 当局は先週、地元学校での汚染水準が隠蔽(いんぺい)されたとの疑惑が報じられたことを受け、火災で発生した鉛汚染による危険はないと強調していた。

 しかし、パリを含むイル・ド・フランス(Ile de France)地域圏のミシェル・カド(Michel Cadot)知事は25日、現在の汚染対策には厳格さが足りず、「十分に適用されていない」として、ノートルダム大聖堂での作業の停止を命じた。カド知事は記者団に対し、現場は新しい安全対策が導入されるまで、最長で1週間にわたり閉鎖される可能性があると語った。

 地元当局の報道官がAFPに語ったところによると、パリ市6区の保育所と小学校が共有する校庭から高濃度の鉛が検出されたことを受け、市当局は「予防措置」として両施設を閉鎖した。保育所と小学校は休暇中のクラブ活動を共催し、子ども180人が参加していた。(c)AFP/Lucie PEYTERMANN, Fiachra GIBBONS