【7月25日 AFP】バングラデシュで行われている巨額の橋建設工事をめぐり、子どもたちがさらわれて人柱にされているとのデマがSNSなどで広まり、これに触発された群衆が誘拐犯と疑われた人らにリンチを加え、女性2人を含む8人が死亡した。警察当局が24日、明らかにした。

 問題の発端はガンジス川(Ganges)の支流パドマ(Padma)川に建設されている橋。建設費は30億ドル(約3200億円)に上り、完成すれば同国最大の橋になるという。

 警察によると、橋建設に人間の首が必要とされているとのデマがフェイスブック(Facebook)を中心に広まり、これまでに死亡した8人以外にも30人以上が襲われた。

 バングラデシュ国中の警察にデマを取り締まるよう命令が下り、少なくとも25のユーチューブ(YouTube)チャンネル、60のフェイスブックページ、10のウェブサイトが閉鎖されたという。

 ただAFPが確認したところ、現在もフェイスブック上にはデマに関する情報を共有する投稿がいくつか残っていた。

 地元メディアによると、同国北部ネトロコナ(Netrakona)県で切断された子どもの頭部を持ち歩いていたとみられる若い男に関する報道があり、その後デマが流れ始めたという。

 警察によると首都ダッカの学校前で19日、2人の子を持つシングルマザーが誘拐犯だと疑われ、群衆に撲殺された。また、ダッカ郊外でも同日、娘の元を訪れようとしていた耳の不自由な男性が撲殺された。

 警察はシングルマザー殺害の疑いで8人を逮捕し、デマ拡散に関わったとして少なくとも5人を拘束している。(c)AFP