【7月25日 AFP】2016年米大統領選挙でのロシア介入疑惑をめぐる捜査を指揮したロバート・モラー(Robert Mueller)元特別検察官は24日、議会での証言に臨み、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領による司法妨害の疑いは晴れたとの見方を否定する一方、トランプ氏の訴追も改めて否定した。

 証言は1日がかりで行われた。同氏の証言にはかねて注目が集まっており、その様子は全国にテレビ中継された。

 モラー氏は席上、司法省の方針により現職大統領を訴追することはなかったものの、理論上、トランプ氏は退任後に起訴される可能性があると発言。その一方、民主党が最大の目標としていた、トランプ大統領弾劾の根拠となるような違法な司法妨害行為があったとの明確な証言はしなかった。

 同氏はすでに、約2年に及ぶ捜査の結果をまとめた448ページの報告書を提出している。証言では、捜査妨害についてこの報告書より踏み込んだ発言をしようとせず、下院司法委員会に対し「大統領は、自身が行ったとされている行為について潔白を証明されてはいない」と述べるにとどまった。

 矢継ぎ早に質問を浴びせられ、強い重圧の下での証言を余儀なくされたモラー氏は、ためらうような様子や、明らかに緊張した様子を時折示し、発言の大部分を手元の原稿を見ながら行った。

 モラー氏はこの間、民主、共和両党の議員からの質問への回答を数十回拒否したほか、回答に当たり報告書を参照するよう議員らに求めることも多かった。(c)AFP/Paul HANDLEY