【7月26日 Xinhua News】中国四川省(Sichuan)成都市(Chengdu)で22日、成都都市考古学研究会が開かれ、市の中心部で近年調査が進む東華門遺跡のこれまでの発掘成果や最新の調査状況が紹介された。

 遺跡では、秦代から魏晋南北朝時代の「成都大城」居住区、隋・唐時代から宋代の「摩訶(まか)池」池苑園林区、明代の「蜀王府」宮殿建築群など戦国時代から明代にかけての遺構が多数見つかっている。

 東華門遺跡の考古発掘チームの責任者、易立(Yi Li)氏は、成都市文物考古作業チームが2013年から2019年にかけて同遺跡の発掘調査を行い、青羊区の東華門街から体育センターに至る広いエリアで都市遺構を発見したと説明した。

 摩訶池は、隋代(6世紀末~7世紀初め)に建設が始まり、約600年後の宋代に至るまで整備が続けられた。唐代には皇室所有の「皇家園林」とされ、詩人の杜甫(Du Fu)も訪れた。

  同遺構は2014年にその一部が見つかり、その後断続的な発掘調査が行われていた。これまでの調査で歩道や庭園建築、用水路、井戸、小さな池などが見つかり、大量の陶磁器や建築部材が出土している。文献史料によると、摩訶池は庭園景観としてだけでなく生活用水の確保という機能も備えていたという。易氏は、その規模が最大時で900ムー(約60ヘクタール)に達していたと推測する。

 易氏は、東華門遺跡の発見が成都の戦国時代から明代に至る約2300年の繁栄の歴史を明らかにし、文献に記載が残るだけの摩訶池が確かに存在したことを証明したと指摘。規模の大きさや用いられた技巧の精巧さは、今後の古代史研究の貴重なよりどころになるとの見解を示した。(c)Xinhua News/AFPBB News