【7月24日 東方新報】中国外務省は22日、華春瑩(Hua Chunying)副報道局長(49)が局長に昇格したと発表。女性として初の報道局長となる。「こわもて」とも「意外に気さく」とも称される華氏が、中国外務省の「顔」としてどう振る舞うかが注目される。

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 中国メディアによると、華氏は中国・江蘇省(Jiangsu)出身で地方幹部の家に生まれ、地元の南京大学(Nanjing University)を卒業後、外務省で主に欧州畑を長く歩み、2012年から外務省で5人目の女性報道官となった。

 中国外務省は、平日は毎日記者会見を開く。外国人記者から中国政府に批判的な質問が出ると、「わが国は法治国家であり、そうした指摘はまったく当たらない」と強く反論し、中国と利害が対立する国に対しては厳しい言葉で非難する。日本のメディアが取材妨害を抗議した際は、「日本政府は自国の報道機関が駐在する国の政府に協調し、客観的に報道するよう教育するべきだ」と発言した。

 一方で、2017年12月の「パンダ問題」では気さくな一面も見せた。日本人記者が「東京・上野動物園でパンダの香香(シャンシャン、Xiang Xiang)が公開されましたが、コメントを」と英語で質問したところ、当時の日本外務省事務次官で、中国語で「杉山(Shan Shan)」と発音する杉山晋輔(Shinsuke Sugiyama)氏に関する質問と勘違いし、「日本が中国とともに、4つの共通認識と4つの共同文書に照らし、問題を適切に処理するよう希望する」と回答。会場ではしばらく不思議な沈黙が流れ、中国人記者が「多分、パンダのシャンシャンの質問だと…」とフォロー。華氏は「ああ、そのシャンシャン!」と声を上げ、自分の勘違いにしばらく笑いがおさまらなくなった。

 2018年1月には、北京を訪れた日本の河野太郎(Taro Kono)外相とのツーショット写真に応じ、河野氏がツイッターで「中国の有名女性と!」と公開すると、笑顔の華氏に「日ごろのイメージと違う」と書き込みが相次いだ。

 華氏はこの数か月、会見から姿を消していたが、共産党幹部を養成する中央党校で研修を受けていた。今月12日付の同校機関紙「学習時報」で、「中国はかつてなく世界のステージの中心に近づいたが、それでも完全にはマイクを握っていない」「中国の発信力を高めなければならない」と論文を投稿していた。

 素顔は気さくそうな華氏だが、中国政府を代弁する「顔」である限り、今後もそのスタイルは変わらないようだ。(c)東方新報/AFPBB News