【7月24日 AFP】太陽光を受け止めて推進力に変える船の帆のような形状の宇宙航行装置ソーラーセール(太陽帆)が23日、打ち上げから約1か月を経て展開に成功した。装置は小型衛星を載せて地球を周回している。

 このソーラーセールは「ライトセール2(LightSail 2)」という名称で、光のエネルギーを運ぶ光子の運動量を推進力に変える。

 ライトセール2の開発元は、宇宙探査を推進する米団体「惑星協会(Planetary Society)」。同協会はツイッター(Twitter)に「展開完了!」と投稿し、成功を伝えた。

 同協会は、ライトセール2から地球に送られたデータに基づき「あらゆる指標が、ライトセール2が太陽帆の展開に成功したことを示している!」とした上で、同日中に送られてくる写真によって確認が取れるとの見通しを示した。

 ライトセール2の帆は面積が32平方メートルあり、1950年代から流通しているポリエステルの一種、マイラーでできている。今後は地球周回軌道上にとどまり、計画が順調に進めば、帆に受ける太陽放射線の圧力によって徐々に高度を上げていく。

 惑星協会のビル・ナイ(Bill Nye)最高経営責任者(CEO)はライトセール2の将来の任務について、太陽系外にロボットを送るため使われる可能性があると述べた。動力装置を装備した場合に比べて初速は遅くなるが、かなりの高速に達する。(c)AFP