祖国という足かせ…亡命ウイグル人にも及ぶ中国の監視
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■消えた高齢の母
アブドゥグプルさんには罰が待っていた。最後に母親と連絡が取れたのは2016年で、「二度と電話をしてこないで」と言われた。その後、電話は通じなくなり、母親も行方不明になった。
必死になったアブドゥグプルさんは、漢民族の友人に金を払い、故郷まで行って母親や親戚を見つけ出してくれるよう依頼した。友人は、アブドゥグプルさんの母親と2人のきょうだいは収容所にいて、一番上の兄は投獄されていると教えてくれた。
きょうだいはまだ生きているかもしれないが、母親がどうなっているのかはまったく分からない。アブドゥグプルさんは「母は78歳にもなって、強制収容所に入れられてしまった」と涙をこらえながら語った。「母は清掃作業員だった、それだけだ」「生死を知りたい」
アブドゥグプルさんは、世界の終わりのような気持ちで知らせを待っている。過去からは逃れたが、足かせははめられたままだ。(c)AFP