【7月24日 AFP】23日に行われた第18回世界水泳選手権(18th FINA World Championships)、競泳男子200メートル自由形の表彰式で、銅メダルを獲得したダンカン・スコット(Duncan Scott、英国)が優勝した孫楊(Yang Sun、ソン・ヨウ、中国)に対して抗議の意思を示し、それに孫が激高する一幕があった。2人にはその後、国際水泳連盟(FINA)から警告が出されている。

 スコットは、国歌が流れた後の孫との握手や、他のメダリストとの壇上での記念撮影を拒否。400メートル自由形のマック・ホートン(Mack Horton、オーストラリア)と同じ抗議を行うと、これに怒った孫が腕を上げて詰め寄り、ダンカンを指さしながら「お前は負け犬。勝ったのは俺だ!」と叫んだ。

 それでも、表彰式後の写真撮影を途中で切り上げてプールサイドを後にしたスコットは、気にした様子もなく「僕らの競技を尊重しない男に、どうして敬意を払う必要があるんだ?」「多くの人、水泳界の全員が、マックの行動を支持したはずだ」と話した。

 FINAのドーピングパネルの報告書が外部に漏れ、2018年の抜き打ち検査で血液サンプルを金づちで破壊するなどした疑惑が報じられて以来、孫は今大会に出場している他選手からの敵意にさらされている。特にホートンは、2016年のリオデジャネイロ五輪でも孫とやり合った因縁がある。

 FINAは「あの場にふさわしくない行動を取った」孫とダンカンの両選手に対し、水泳の品位を損なったとして警告を送った。連盟はホートンに対しても書面で警告している。(c)AFP/Alastair HIMMER