【7月25日 Xinhua News】中国のEC最大手、アリババグループ(Alibaba Group)の馬雲(ジャック・マー、Jack Ma)董事局主席は22日、浙江省(Zhejiang)杭州市(Hangzhou)で開かれたAPEC(アジア太平洋経済協力会議)中国CEOフォーラム2019で「人類はこれまで水辺で生活してきたので水路交通の発達した場所に人口が集中した。しかし将来はデータが集まる場所で生活するようになる」と語った。

 馬氏は、技術の革命的な発展、デジタル経済の幕開け、未来のグローバル化などが現在討論に値するテーマだと考える。

 馬氏は「将来、われわれ一人一人がデジタル経済のもたらす変革の影響を受けることになる」と語る。馬氏が暮らす杭州市は、中国で最も早くデジタル経済を取り入れた都市であり、日常生活に財布は必要なく、携帯電話さえあればよい。

 「水道や電気、ガスの支払いだけでなく、より多くのことを携帯電話で済ますことができる。杭州の交通もデータと人工知能(AI)を活用している」とも述べ、現在杭州で当たり前になっている生活は将来、世界の多くの都市でも当たり前になるだろうと指摘した。

 デジタル経済が将来の貿易にもたらす変革について馬氏は、これまでの貿易がコンテナ単位だったのに対し、将来はパッケージ単位になると予測。貿易の形式がBtoCからCtoBに、「中国製」「米国製」が「インターネット製」に、石油依存型貿易がデータ依存型貿易へとそれぞれ変わる可能性があるとの見方を示した。

 「将来のグローバル化の実現には少なくとも6000万の企業がそれに関わる必要があり、実現されれば世界の8割の企業が恩恵を受けることになる」と述べ、現在世界で起きている多くの問題はグローバル化が原因ではなく、不完全なグローバル化が引き起こしていると指摘。今後ますます多くの新しい企業、新しい小企業がグローバル化に参加するだろうと語った。

 馬氏は、APECの代表が世界規模でさらにグローバル化のプロセスを推進することに期待を示し「実業家はグローバル化をさらに普遍的恩恵へと変え、より多くの人や企業がその恩恵を受けられるよう考えるべきであり、より多くの企業が世界的な競争と貿易に関わるよう奨励し支援すべきだ」と呼びかけた。(c)Xinhua News/AFPBB News