【7月24日 Xinhua News】中国国家文物局水中文化遺産保護センター、山東省(Shandong)水中考古研究センター、中国甲午戦争(日清戦争)博物院、威海市博物館が共同で進める「2019・山東威海湾甲午沈没艦遺跡第1期調査プロジェクト」の始動式がこのほど、中国威海(Weihai)の劉公島で行われた。

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 今回の水中考古調査プロジェクトの期間は60日で、山東省と北京市、遼寧省(Liaoning)、福建省(Fujian)、海南省(Hainan)、広東省(Guangdong)、湖北省(Hubei)の水中考古関係者からなる合同チームがサルベージを行う。合同チームは2017年の物理探査、18年の潜水探査、採砂、試掘を踏まえ、劉公島東村の外にある甲午沈没艦遺跡の砂を取り除いて遺跡の姿を明らかにし、考古作業規定と基準に基づいて沈没艦の測量、撮影、文字記録などの水中考古作業を展開する。

 今年の採砂面積は約550平方メートルで、2020年は沈没艦遺跡の残りの砂を取り除く。2年にわたる採砂発掘を通じて沈没艦の性質、保存状況などを初歩的に明らかにし、甲午海戦史と世界の海軍艦艇史の研究に貴重な考古実物資料を提供する。

 山東省文化・観光庁の王廷琦(Wang Qi)副庁長は、威海は山東でも水中文化遺跡が最も集中している地域だとし、近年、中国共産党威海市委員会、同市政府および文物部門は甲午戦争と北洋海軍の歴史文物遺構の発掘、研究、保護を非常に重視していると紹介した。

 今年は甲午海戦勃発125周年にあたる。資料の記載によると、「定遠」や「靖遠」など北洋海軍の軍艦数隻が威海湾に沈没している。近年、中国の考古学者は北洋水師(海軍)の沈没艦を相次いで発見している。2015年には黄海で沈没した致遠艦、2018年には遼寧省の荘河海域で沈没した経遠艦が発見された。(c)Xinhua News/AFPBB News