【7月23日 Xinhua News】上海証券取引所で22日、中国のハイテク新興企業向け市場「科創板」の取引が始まった。この市場には第1陣として、25社が上場している。

 上場第1陣の25社はいずれも科創板が重点的に支援する次世代情報技術、ハイエンド設備、生物医薬などのハイテク産業と戦略的新興産業に属し、その研究開発への投資額は既存のA株の会社と比較し大幅に上回っている。

 科創板は、ハイテク・イノベーション企業の大きな発展を後押しし、中国の核心的技術イノベーションと経済の質の高い発展を活性化することが見込まれる。

 前海開源基金の楊徳竜(Yang Delong)首席経済学者は「科創板はハイテク・イノベーション型企業への支援不足という中国資本市場の問題を解決するために開設された。国家戦略に一致し、鍵となる革新技術を生み出すことができ、市場で高い認知度を持つ新たなハイテク・イノベーション企業を育てていく上で大きな意味を持つ」と語る。

 ただ、これまでの経験から新市場の科創板が開設後に大きな変動に見舞われる可能性はある。上海交通大学上海高級金融学院の厳弘(Yan Hong)副院長は、科創板に投資する投資家は最初にリスクに気を配る必要があると指摘。科創板は主にハイリスクだが高い成長力を秘めた企業が資金を調達する場であり、これらの企業を良く知らない投資家は投資に慎重になるべきだと語る。個人投資家であればなおさら、科創板で高値を追い求めるという盲目的な取引を行うべきではないという。

 上海証券取引所によると、科創板はメイン市場と異なり、新規上場から5営業日は値幅制限を設けない。指値制限を導入し、取引一時停止制度を見直すほか、成行注文に顧客指値保護を設ける。投資家はこれら新しいルールを理解するとともに、取引リスクにも注意を払う必要がある。(c)Xinhua News/AFPBB News