【7月23日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は22日、連邦政府の歳出を約3200億ドル(約35兆円)引き上げ、来年の大統領選の後まで債務上限を一時停止する「妥協」で与野党が合意したと発表した。

 トランプ氏はツイッター(Twitter)の投稿で、上下両院の与野党指導部とホワイトハウス(White House)の間で、「2年間の予算と債務上限」について合意に達したと述べた。

 この合意により、2020会計年度(19年10月~20年9月)と2021会計年度の裁量的経費の支出上限は引き上げられ、来年の大統領選から約9か月後の2021年7月末まで債務上限は一時停止となる。

 トランプ氏はさらにツイッターで、「わが国の素晴らしい軍隊と退役軍人に大勝利をもたらすための真の妥協だった!」と述べた。

 米国の債務拡大に反対する共和党保守派は、この合意に抵抗していた。民主党指導部は、国内の優先事項に安定した資金を確保できるとして合意を歓迎した。

 ナンシー・ペロシ(Nancy Pelosi)下院議長とチャック・シューマー(Chuck Schumer)民主党上院院内総務は共同声明で、「この合意を受けてわれわれは、米国民の必要を満たし、また公務員の仕事を尊重する上で極めて有害な政府閉鎖が再び起きないよう努力する」と述べた。

 この合意を議会が認めれば、米政府は資金借り入れの継続が可能となり政府閉鎖は回避され、国防やその他の施策の歳出上限も引き上げられるが、米政府が掲げる歳出抑制の目標は大きく妨げられる。(c)AFP/Michael Mathes