【7月23日 AFP】ジェレミー・ハント(Jeremy Hunt)英外相は22日、英船籍のタンカーがイランに拿捕(だほ)されたことを受け、欧州主導でペルシャ湾(Persian Gulf)を航行する船舶を護衛する計画だと表明した。拿捕への対応を協議する緊急閣議の後で述べた。

 ハント外相は「できるだけ早期の派遣団の立ち上げを目指す」と述べ、イランによるタンカー拿捕は「国家による海賊行為」だと非難する一方、英国は対立を望んでいないと強調した。

 同外相は議会に対し、「われわれはイラン核合意の維持に引き続き力を尽くしているため、(護衛任務は)イランに最大限の圧力をかける米国の政策の一部にはならない」と説明した。米国は昨年、イランの核開発をめぐる同国と米英など6か国の合意から離脱している。

 ハント外相はまた、英国が湾岸地域に派遣した2隻目の軍艦は29日に現地に到着すると述べた。

 米、イラン両政府が瀬戸際政策を展開する中、同地域では緊張が劇的に高まっている。イラン革命防衛隊(IRGC)は19日、ペルシャ湾の戦略的要衝であるホルムズ海峡(Strait of Hormuz)で英船籍のタンカー「ステナ・インペロ(Stena Impero)」を拿捕した。

 その2週間ほど前の今月4日には、イベリア半島南端の英領ジブラルタル(Gibraltar)当局が、欧州連合(EU)の制裁に違反してシリアへ原油を輸送していた疑いがあるとしてイランの石油タンカー1隻をジブラルタル沖で拿捕していた。(c)AFP/By Alice RITCHIE