【7月23日 AFP】第18回世界水泳選手権(18th FINA World Championships)は22日、競泳女子100メートルバタフライの決勝が行われ、スウェーデンのサラ・ショーストレム(Sarah Sjostrom)はレース後の表彰式で、白血病と闘っている池江璃花子(Rikako Ikee)を「真のファイター」とたたえ、エールを送った。

 同種目で銀メダルを獲得したショーストレムは、金メダルのマーガレット・マクニール(Margaret MacNeil、カナダ)と銅メダルのエマ・マキーオン(Emma McKeon、オーストラリア)と共に、ハートの文字と「ネバーギブアップ、リカコ・イケエ」と書かれた手のひらをカメラに向かって広げ、日本の競泳女王を激励した。

「彼女(池江)ががんに打ち勝つことを心から願っている。彼女は真のファイターで、本物の勝者」と話した25歳のショーストレムは、女子では史上初となる1大会での世界水泳5冠を目指していたが、この日はマクニールに敗れて銀メダルに終わった。

 しかし、その失望は池江の闘病と比べれば大したことはないとして、「水泳なんて彼女の闘いとは比べものにならないでしょう? レース前に自分に言い聞かせた。『結果は関係ない。彼女の闘いは、この決勝に臨む誰よりも50倍以上も厳しいものだから』って」と語った。

「彼女が回復して大好きな水泳に戻ってくることを心から願っている。彼女は水泳が大好き。この病気を乗り越えて必ず戻ってくるはず」

 一方、池江と同い年の19歳のマクニールは、マキーオンと共に池江にメッセージを送るというショーストレムのアイデアを快諾したといい、「彼女(池江)はきょう、ここに一緒にいることができなかった。だから、これが彼女への支援につながり、何か必要なときには私たちが一緒にいると思ってもらえるように願っている」と話した。

 2020年東京五輪の100メートルバタフライなどでメダル獲得が期待されていた池江は、今年はじめに白血病と診断され、現在は都内で治療を受けている。

 昨年行われた第18回アジア競技大会(18th Asian GamesAsiad)では、女子選手として史上最多の金メダル6個を獲得したが、オーストラリアでの合宿中に体調不良を訴え、2月にツイッター(Twitter)で白血病であることを公表した。(c)AFP/Alice PHILIPSON