【7月23日 AFP】第18回世界水泳選手権(18th FINA World Championships)の競泳男子400メートル自由形決勝で2位に入りながらも、中国の孫楊(Yang Sun、ソン・ヨウ)への抗議行動で表彰台に上らなかったオーストラリアのマック・ホートン(Mack Horton)が、国際水泳連盟(FINA)から警告を受けた。

 孫がドーピング検査を妨害した疑惑が浮上する中、韓国・光州(Gwangju)で21日に行われた同種目の表彰式で、ホートンは壇上に上ることを拒否した。両者の険悪な間柄は以前から明白で、ホートンは同種目の金メダルに輝いた2016年のリオデジャネイロ五輪でも、ドーピングの前科がある孫を「薬物違反者」と呼んでいた。

 FINAはコメント文を発表し、「豪水泳連盟(Swimming Australia)とマック・ホートンに対して警告文を送ることに決めた」「FINAは言論の自由を尊重するが、正しい状況下で行われなければならない」と述べると、「他の主要競技団体と同様に、選手とその関係者はFINAの規則を順守する責任を認識し、FINAの大会を個人の見解や行動を示す場として利用してはならない」と付け加えた。

 2014年に禁止薬物違反で3か月の出場停止処分を科されたことに対し、一貫して無実を主張してきた孫は、2018年の抜き打ち検査で血液サンプルを金づちで破壊したとするFINAのドーピングパネルの報告書が先日にリークし、再びドーピング疑惑に直面している。

 FINAは孫の今大会出場を許可したものの、この決定について世界反ドーピング機関(WADA)はスポーツ仲裁裁判所(CAS)に異議申し立てを行っている。

 FINAはそうした中で「マック・ホートンが抗議していると思われる問題については、現在CASで調査が進められている。そのため、これ以上のコメントで審理に先入観を与えるようなことはFINAとして不適切である」と強調した。(c)AFP