【7月22日 AFP】2019年の米国野球殿堂(Baseball Hall of Fame)入り表彰式典が21日に行われ、史上初となる満票での選出を果たした米大リーグ(MLB)のニューヨーク・ヤンキース(New York Yankees)の元守護神、マリアーノ・リベラ(Mariano Rivera)氏ら受賞者が式典に臨んだ。

 米クーパーズタウン(Cooperstown)で行われた式典で、当然と言うべきか、締めのスピーチを任されたリベラ氏は、その姿を一目見ようと集まった約5万5000人の前で、ファンの支えがあったからこそ素晴らしいキャリアを送ることができたと話した。

「いつもみなさんが背中を押してくれたから、最高の状態でいることができました」「ヤンキースタジアム(Yankee Stadium)で投げていた時は、5万5000人の人たちの横で一球一球を投げているように感じていたものです」「みなさんは最高です。みなさんがいなければ投げられない。みなさんがいつも、私を限界まで押し上げてくれたのです」

 リベラ氏はヤンキースでオールスターゲーム(All-Star Game)に13回出場し、チームのワールドシリーズ制覇5回、ア・リーグ優勝7回などに貢献。ヤンキース一筋の19年のキャリアで652セーブを挙げた偉業をたたえ、全米野球記者協会(BBWAA)は史上初めて、投票した425人全員がリベラ氏に票を入れた。

 今年はリベラ氏の他に、抑えのリー・スミス(Lee Smith)氏、先発のマイク・ムシーナ(Mike Mussina)氏、打者のエドガー・マルティネス(Edgar Martinez)氏とハロルド・ベインズ(Harold Baines)氏、そして先発投手のロイ・ハラディ(Roy Halladay)氏が選出された。

 候補入り1年目での選出は、リベラ氏とハラディ氏が歴代55人目と56人目。2017年に軽飛行機がメキシコ湾に墜落して命を落としたハラディ氏は、それから約1年で選出が決まっていた。

 本人に代わって出席したハラディ氏の夫人ブランディ(Brandy)さんは、集まった観衆に向かって「夫がこの場にいたらみなさんに言いたいと思うであろうことを、なんとかして言葉にしたいと思います」と語りかけた。

「本当にたくさんの人がロイのキャリアに影響を及ぼしたことを考えれば、いくら感謝してもしきれないでしょう」「これだけの実績を残した選手たちと、この場で一緒に座ることができたら、きっとロイも誇らしく思ったはずです。模範となり、キャリアを支えてくれたみなさんにありがとう。これは私の言葉ではありません」 (c)AFP