メキシコで国際エイズ会議開幕、焦点は移民危機とHIV感染
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【7月22日 AFP】医薬品を手に入れるために国を出ざるを得なかったベネズエラ人を通じてなのか、もしくは気付かぬままウイルスに感染している中米移民たちからなのか──中南米移民危機の深刻な局面であるエイズウイルス(HIV)のまん延が、メキシコの首都メキシコ市で21日に開幕した国際エイズ会議(International AIDS Conference)の焦点となる。
今回の会議には、約6000人の科学者、医師、活動家、政府関係者らが参加。HIVとエイズ(AIDS、後天性免疫不全症候群)に関する最新の治療法や研究について学び、また人為的・社会的コストについて議論する。
エイズ会議の共同議長を務めるメキシコの医師でエイズ専門家のブレンダ・クラブツリー(Brenda Crabtree)氏は、現時点でHIVに感染した中南米移民に焦点を当てたプログラムはないと指摘した。
会議に先立ち主催者らは、メキシコに早く到着した出席者らを、同国で最も貧しく危険な地域の一つであるイスタパラパ(Iztapalapa)にある治療施設「コンデサ・クリニック(Condesa Clinic)」へ案内した。この施設では出身国にかかわらず患者を受け入れ、法的地位を問うことなく無料治療を提供している。
クラブツリー氏によると、ベネズエラでは約12万人のHIV感染者やエイズ患者が抗レトロウイルス療法(ART)を必要としているが、現在8万人近くがそうした治療を受けられずにいる。
コンデサ・クリニック院長のフロレンティーノ・バディアル(Florentino Badial)氏によると、同院の患者の4人に1人はベネズエラ人で、さらにコロンビア人が16%、その他、中米諸国出身が16%を占めている。
南米北部ベネズエラとコロンビアの出身者の大半は仕事を求めて合法的にメキシコに入国する一方で、中米出身者の多くは必要書類を持たずに入国しているという。
昨年11月、移民キャラバンで大勢の移民がメキシコに入国した際にも、このクリニックでは無料検査を実施した。6人が気付かぬままHIVに感染していたことが分かり、その後治療を受けた。(c)AFP/ Sofia MISELEM