【7月22日 AFP】気候変動に対する政府の怠慢に抗議し、金曜日の授業を欠席する学校ストライキ、「フライデーズ・フォー・フューチャー(Fridays for Future)」で世界的な運動を巻き起こしたスウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリ(Greta Thunberg)さん(16)が21日、フランスで「自由賞(Freedom Prize)」を受賞した。

 授賞式は仏北西部ノルマンディー(Normandy)地方のカン(Caen)市で行われた。トゥンベリさんの両脇には同賞の起草者で第2次世界大戦(World War II)の退役軍人である2人、フランスのレオン・ゴーティエ(Leon Gautier)さんと米先住民のチャールズ・ノーマン・シェイ(Charles Norman Shay)さんが並んだ。

 トゥンベリさんは「この賞は私一人だけのものではない」と述べ、「これはフライデーズ・フォー・フューチャー運動全体に対するものだ。私たちが一緒に達成したことだからだ」と語った。

 トゥンベリさんは賞金の2万5000ユーロ(約300万円)について、「気候正義」のために活動し、すでに気候変動の影響を受けている地域を支援している4団体に寄付すると表明した。

 今回トゥンベリさんが受賞した「自由賞」は、第2次世界大戦を終結に導いた連合軍による仏ノルマンディー上陸作戦の精神を尊重するために創設された賞で、受賞者は世界中の15~25歳のオンライン投票によって選ばれる。

 トゥンベリさんはノルマンディー作戦に参加した兵士らの犠牲に賛辞を送り、「私たちが彼らに敬意を示すために少なくともできることは、チャールズさんやレオンさん、さらに2人の友人や同僚の皆さんが、私たちのために懸命に戦って救ったこの世界の破壊を止めさせることだ」と述べた。

 シェイさんは「私は兵士として75年前、自由のために、ナチズムから欧州と世界を解放するために戦った」「しかし、人類のあるまじき振る舞いによって母なる自然が深く傷つき、われわれの文明が崩壊するとしたら無意味だ」と述べ、トゥンベリさんに「あなたたち若い世代がこの尊い理念のために闘っていることに深い喜びを感じる」と応じた。(c)AFP