【7月21日 AFP】ボクシング・WBA世界ウエルター級王座統一戦が20日、米ネバダ州ラスベガス(Las Vegas)のMGMグランド・ガーデン・アリーナ(MGM Grand Garden Arena)で行われ、かつてのような強さを見せた40歳のフィリピンの伝説、マニー・パッキャオ(Manny Pacquiao、フィリピン)が判定の末2-1(115-112、115-112、113-114)でキース・サーマン(Keith Thurman、米国)に勝利し、ボクシング史上最年長のウエルター級王者となった。

 自分より10歳年下で、ここまで無敗のサーマンと対戦したパッキャオは円熟のボクシングを披露し、会場に集まった1万4356人の満員の観客も、それを支持するかのように大歓声を浴びせた。

 パッキャオは初回に素早い連打でサーマンからダウンを奪うと、その後も優勢を保って12回の熱戦を戦い抜いた。サーマンも流血しながら後半に反撃して点差を縮めたが、ジャッジ2人が優勢とみたパッキャオが競り勝った。

 判定に会場が沸く中、ガッツポーズで勝利を喜んだパッキャオは試合後、「楽しかった」「相手も優れたファイターでボクサーだった。強かった」と話した。

 サーマンは試合前、非常に信心深いパッキャオを「はりつけにする」と話し、さらにフィリピンの象徴を引退に追い込むと挑発していたが、パッキャオは「自分はあまりおしゃべりをするボクサーではない。二人ともファイトを盛り上げようとしていただけ」「彼は優れた強いボクサーだった。今夜はこちらに神の祝福があった」と謙虚に話した。

 戦績を62勝(39KO)7敗2分に伸ばしたパッキャオは、この勝利で推定2000万ドル(約22億円)の収入を得るとともに、サーマンの持っていたWBAウエルター級の「スーパー」王者のベルトを奪取し、群雄割拠の同級で再び主役の一人となっている。

 今後については「来年またファイトすると思っている」「フィリピンへ戻り、それから決断したい」と話し、まずはフィリピンで上院議員としての職務を再開した後、次戦の相手を決める意向を示した。(c)AFP/Rob Woollard