【7月20日 AFP】(更新・写真追加)中東のホルムズ海峡(Strait of Hormuz)で英船籍のタンカーがイラン革命防衛隊(IRGC)に拿捕(だほ)された問題で、イランの港湾当局は20日、漁船との衝突事故として調査を開始したと発表した。

 イラン側の主張によると、スウェーデン企業が所有する英タンカー「ステナ・インペロ(Stena Impero)」は19日、サウジアラビアに向けて航行中に漁船と衝突し、現在はイラン南部ホルモズガン(Hormozgan)州バンダルアバス(Bandar Abbas)沖に停泊中だという。

 ホルモズガン州港湾海事局のアッラーモラド・アフィフィプール(Allah-Morad Afifipoor)長官は、イランのファルス(Fars)通信に対し、「きょうから州港湾海事局の本部で、専門家らによる事故原因の調査が始まった」と述べ、英タンカーが航行中に漁船と衝突したため、法律上、事故原因を究明する調査が必要になったと説明した。 

 一方、英政府は前夜から20日にかけて緊急事態対処会議「コブラ(COBRA)」を開き対応を協議。会議後、英政府報道官は「イランの行動は国際的な航行の自由に対する明らかな挑戦であり容認できない。現在も深く憂慮している」と語った。さらに、英国の船舶に対してホルムズ海峡の航行を当面避けるよう勧告したと明らかにした。

 アフィフィプール長官によると、ステナ・インペロの乗組員23人は現在も乗船したままだという。フィリピン政府が発表した乗組員の国籍はインド人18人、ロシア人3人、ラトビア人とフィリピン人が1人ずつとなっている。(c)AFP/David Vujanovic