【7月20日 AFP】ツール・ド・フランス(2019 Tour de France)は19日、第13ステージの個人タイムトライアル(ポーからポー、27.2キロメートル)が行われ、ドゥクーニンク・クイックステップ(Deceuninck Quick Step)のジュリアン・アラフィリップ(Julian Alaphilippe、フランス)がステージを制し、総合争いでのリードを広げた。

 ピレネー山脈(Pyrenees)の麓の街を周回してスピードを争う今ステージで、総合連覇を目指すチームイネオス(Team Ineos)のゲラント・トーマス(Geraint Thomas、英国)がアラフィリップと14秒差の2位となり、総合争いではその差が1分26秒に広がった。

 33歳のトーマスはフィニッシュラインで、「このまま調子を維持すれば、彼(アラフィリップ)がツールの勝者だ」とすると、「彼は絶好調で、間違いなく優勝候補か現時点で注目に値する」「だけど、まだ先は長くて厳しいステージがたくさん残っている」と語った。

 世界ランク1位のアラフィリップは、今回のツールでは驚異のアタックを連発して大会を盛り上げるなど、今季ますます力を示している中で、母国ファンへの責任を痛感しているといい、「今ステージで勝てるなんて思ってもいなかった。誰よりも自分が一番驚いている」とコメントした。

「とにかく、このままジャージー(総合首位)を維持していきたいけれど、こんなふうにステージを制するなんて、本当に驚いている」

 この日は、1919年大会でフランスのウジェーヌ・クリストフ(Eugene Christophe)氏が初めてマイヨ・ジョーヌ(イエロージャージー)を着用してから100周年に当たる。クリストフ氏はその大会で、最終日の前日に総合トップを明け渡した。

 アラフィリップが今大会で総合優勝を果たせば、フランス勢としては1985年に通算5回目のツール制覇を果たしたベルナール・イノー(Bernard Hinault)氏以来の快挙となるため、母国ファンはその期待をますます高めている。この日の表彰式では、イノー氏がアラフィリップのステージ優勝を祝福した。(c)AFP/Damian MCCALL