【7月19日 AFP】中国で、中国系オーストラリア人作家が拘束されている問題で、豪政府は19日、「深い失望」を表明し、拘束理由が同氏の「政治的見解」であるなら解放するよう中国政府に要求した。

 マリス・ペイン(Marise Payne)外相によると、豪政府は19日、1月から中国当局に拘束されている楊恒均(ヤン・ヘンジュン、Yang Hengjun)氏が刑事施設に移送されたとの確認を受けた。国家安全保障上の理由によるものとみられるという。

 ペイン外相は、豪政府は何度も楊氏の問題を中国政府に提起してきた上、王毅(Wang Yi)外相に対し「公平かつ透明性のある」解決と楊氏が弁護士と面会する機会を2度にわたって文書で求めたにもかかわらず「実現していない」と、強い言葉で批判した。

 ペイン氏は「豪政府は楊氏の健康状態と拘束環境について懸念を表明してきた」と述べるとともに、楊氏の拘束理由については依然説明がないと指摘している。

 民主活動家でもある楊氏は1月、現在の居住地である米国から久々に訪中した直後に拘束された。

 これを受けて中国外務省の耿爽(Geng Shuang)副報道局長は定例記者会見で、「わが国は本件を法にのっとって処理している以上、いかなる形でも介入しないよう、また無責任な発言は差し控えるよう、豪政府に求める」と述べ、豪側を非難した。(c)AFP