【7月19日 AFP】パプアニューギニアのジェームズ・マラペ(James Marape)首相は19日、祖国を逃れてオーストラリアにたどり着いた後、パプアニューギニアのマヌス(Manus)島に数年にわたり留め置かれている難民認定希望者数百人について、再定住の期限を定めるようオーストラリア側に求めた。同首相が豪公共放送ABCに述べた。

 オーストラリア政府は6年前の7月19日、海路で同国を目指し拘束されたすべての難民認定希望者をパプアニューギニアのマヌス島と、同じく太平洋上の島国ナウルへ送る強硬な難民政策を開始した。その結果、数千人の難民認定希望者が劣悪な環境の施設に収容され、国連(UN)や人権団体から非難の声が上がった。

 来週、オーストラリアの首都キャンベラでスコット・モリソン(Scott Morrison)豪首相と会見するマラペ首相は、今もマヌス島に収容されている人々について、「再定住の期限」を定めるよう求めたいと語った。

 マラペ氏はABCに対し、「われわれが相手にしているのは人間だ。彼らの将来について真剣に考えることなく、彼らを不安定な状態のまま放置しておけない」と述べた。

 首相就任から2か月とたっていないマラペ氏はこの難民問題について、オーストラリアの移民政策を握っている強硬派のピーター・ダットン(Peter Dutton)内相とすでに協議したと述べた。

 難民認定希望者の多くは最終的には再定住を遂げているが、マヌス島に残留している約450人は絶望感を強めており、ここ数週間は自殺を試みる例も相次いでいる。また、ナウルにも約350人の難民認定希望者がいる。

 オーストラリアのモリソン政権は、ナウルや旧領だったパプアニューギニアにいる難民認定希望者のオーストラリアへの再定住を認めた場合、さらに多くの人々が海を渡る危険なルートで同国を目指すようになるとし、引き受けをかたくなに拒んでいる。(c)AFP