【7月19日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の支持者らが、ソマリア生まれの民主党女性下院議員イルハン・オマル(Ilhan Omar)氏に対して「彼女を送還しろ」とのシュプレヒコールをあげたことを受け、オマル氏は18日、トランプ氏を「ファシスト」と非難した。一方トランプ氏は、このコールから距離を置く姿勢を示している。

 米議会に2人いるイスラム教徒の女性議員の一人であるオマル氏は「私たちは、この大統領は人種差別主義者だと述べ、彼の人種差別的発言を非難してきた」「私は、彼がファシストだと思う」と述べた。

 トランプ氏がノースカロライナ州グリーンビル(Greenville)で前日に開いた選挙集会では、オマル氏ら人種的マイノリティー(少数派)の民主党女性下院議員4人を批判したトランプ氏の言葉に応じる形で、「彼女を送還しろ」のシュプレヒコールが沸き起こった。これは、2016年の大統領選での選挙集会で民主党候補ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)氏に対して繰り返し叫ばれた「彼女を収監しろ」という言葉を想起させるものだ。

 トランプ氏は18日、ホワイトハウス(White House)の大統領執務室(Oval Office)で記者団に対し、自分は今回のシュプレヒコールを快く思っていないと主張。「私はあのコールを聞いた時、うれしくはなかった」「私はすぐに話し始めた」と述べた。しかしテレビ映像によると、トランプ氏はシュプレヒコールを10秒以上続けさせてから話し始めていた。

 トランプ氏はこれに先立ち、民主党の4女性議員に対し、米国に満足していないのなら出身国に戻るべきだと発言しており、米下院は16日、トランプ氏の発言を「人種差別」と非難する決議案を可決していた。(c)AFP(c)Jerome Cartillier and Chris Lefkow