【7月19日 AFP】来年の東京五輪開催中に懸念される客室不足に対応するため、東京都は大型クルーズ船をホテルに利用する計画を進めている。

 専門家によれば、昨今の建設ブームにもかかわらず、五輪関係の観光客の増加により最大1万4000室の不足が見込まれている。自治体関係者は五輪開催中に東京湾と横浜港に大型船を一時停泊させホテルに利用することが解決策の一つになり得ると考えている。

 この考えを採用した企業の一つが日本の旅行最大手JTBだ。同社は五輪期間中、ジェットバスから劇場までを備えた、客室数1011室のクルーズ船「サン・プリンセス(Sun Princess)」をチャーターした。

 JTBは宿泊と観戦チケットをパッケージにした商品を用意。価格はバルコニー付き客室にサッカーの観戦チケットの付いた2泊のプランで20万円ほど、50平米のスイートと野球の観戦チケットの2泊プランで72万4000円と、決して安くない。一方、川崎港に客室数928のクルーズ船「エクスプローラードリーム(Explorer Dream)」を停泊させる計画も協議が続いている。

 日本の旅館業法では窓のない客室の提供を禁じているが、厚生労働省は昨年、大規模なイベントの際は窓のない船室も客室として使うことを認めるとの通知を出した。

 しかし専門家らはクルーズ船数隻では不十分かもしれないと警告する。みずほ総合研究所の昨年10月のリポートによると、東京湾に停泊させるホテルシップが(五輪期間中の)ホテル不足を補えるかは不透明だという。(c)AFP/Kyoko HASEGAWA