【7月22日 AFP】19世紀、英ビクトリア女王(Queen Victoria)時代のバッキンガム宮殿(Buckingham Palace)の舞踏会がよみがえった。

 ペッパーズ・ゴースト(Pepper's Ghost)と呼ばれる視覚トリックを使って、米ハリウッドの若手アニメーターらが再現したもので、ビクトリア女王生誕200年記念展示の一環として制作された。

 ダンスや音楽を組み合わせた映像を上方に投影し、45度の角度で設置されたほぼ透明なガラスに反射させることにより、舞踏室にダンスをする人々が現れたように見えるという。

 ペッパーズ・ゴーストという名は、科学者ジョン・ヘンリー・ペッパー(John Henry Pepper)にちなんでいる。ペッパーが初めてこの仕掛けを劇場で使うと人々は驚き、恐怖を感じたと言われている。

 キュレーターのアマンダ・フォアマン(Amanda Foreman)氏は「ビクトリア女王は若い頃、普通の交流の機会が与えられていなかった」「ダンスで生きる実感を得ていた。その高揚感を愛していた」と語った。

 エリザベス女王(Queen Elizabeth II)は17日、一般公開に先駆け展示を見学した。

 バッキンガム宮殿は、英王室一家がスコットランドのバルモラル城(Balmoral estate)で夏休みを過ごす間、一般公開される。展示は9月29日まで。50万人以上の来館が見込まれる。(c)AFP/Robin MILLARD