【7月18日 AFP】米ニューヨークの連邦裁判所は17日、メキシコの麻薬王「エル・チャポ(El Chapo)」ことホアキン・グスマン(Joaquin Guzman)被告(62)に対し、終身刑を言い渡した。同被告の四半世紀に及ぶ複数の犯罪行為に対し裁量の余地を認めない判決を下した。

 麻薬組織「シナロア・カルテル(Sinaloa Cartel)」の元共同最高幹部であるグスマン被告に対しては、米連邦裁判所で今年2月、コカインやヘロイン、メタンフェタミン、マリフアナ(乾燥大麻)といった麻薬数百トンの米国への密輸やマネーロンダリング(資金洗浄)、武器の不法所持などの罪で有罪の評決が下されていた。

 この日の判決で3か月にわたる公判は終了。トレードマークの口ひげで、藤色のシャツ、紫色のネクタイ、グレーのスーツ姿のグスマン被告は法廷で「ここに正義はなかった」と述べた。これが被告にとって連邦刑務所への収監前の最後の公の発言になるとみられる。

 ブライアン・コーガン(Brian Cogan)連邦判事は、グスマン被告に象徴的な禁錮刑30年も言い渡し、罰金126億ドル(約1兆3600億円)の支払いを命じた。この額は被告のカルテルによる米国内での麻薬販売収入の控えめな推定に基づいている。これまで米当局は一銭たりとも回収していない。(c)AFP/Laura Bonilla