【7月17日 Xinhua News】英ロンドン大学クイーンメアリー校(Queen Mary University of London)発表の研究結果によると、中国の成人の1日当たりの食塩摂取量は過去40年にわたって10グラムを上回り、世界保健機関(WHO)の推奨摂取量の2倍を超えている。中国政府は塩分摂取の減少に参加するよう全社会に働きかけてきた。

 クイーンメアリー校の研究者が「アメリカ心臓協会ジャーナル」最新号に発表した論文によると、中国人(児童900人、成人2万6000人)の食塩摂取量に関する大量の発表済みデータを分析した結果、中国人の食塩摂取量は過去40年、高止まりしているとの結論が得られた。また南北で地域差があることも分かった。

 この研究によると、中国北部地域の住民の1日当たりの食塩摂取量は11.2グラムで、1980年代の12.8グラムからやや減少した。研究者は、塩分摂取の減少に対する国民の意識を高めるための中国政府の取り組みや、四季を通じて野菜が豊富なことから漬物などの食品への依存が減っていることが要因だとみている。

 だがこうした減少傾向は中国南部には見られない。南部地域の住民の食塩摂取量は1980年代の1日平均8.8グラムから10.2グラムに増えた。研究者は、政府による塩分摂取削減の取り組みを相殺するだけの加工食品の摂取や外食の増加があったためとみている。

 研究では、中国の3~6歳児の食塩摂取量はWHO推奨の成人の最大食塩摂取量(1日5グラム)を超え、年齢がより高い子供の1日当たりの食塩摂取量は9グラムに迫っていることも分かった。

 食塩の過剰摂取は、高血圧、冠動脈疾患、脳卒中などの原因の一つとなる。中国人の食塩摂取量が高いとの研究はこれまでにもあり、関係機関に重視されてきた。今年打ち出された「健康中国キャンペーン実施に関する国務院の意見」は、食塩摂取の削減に参加するよう全社会に働きかけるとの方針を明確化している。(c)Xinhua News/AFPBB News