【7月22日 CNS】中国・北京市海淀区(Haidian)北二環路にある志強北園居住区は、1980年代につくられた古いエリアだ。ファシリティー(便益)もサービスも遅れていたが、今年4月、ハイテク企業の手による新型の「5Gスマート居住区」のプラットフォームがここに導入された。

 このプラットフォームは、5Gの高速、大容量、高密度な伝送の特徴を生かし、居住区の管理サービスに新たなスマート化モデルを提供している。

 同居住区にある51か所の出入り口に顔認証システムが導入され、5Gネットワークの高速性により、1秒で出入り口の扉が開く。以前の4G時代に比べて、その速度は100倍に引き上げられ、建物内への出入り時に、顔認証によって待たされることはない。

 70歳を超える住民の李さんは「居住棟の出入り口が木製から鉄製へ変わり、磁気カードとパスワードがついて、今度は顔認識システム。5Gの技術が入ってきて、私らの生活が変わったよ」と感慨深げだ。

 李さんによると、このエリアはこれまで泥棒が多く、階段にビラが無秩序に張られていた。顔認証システム導入後、泥棒やビラ配りが入ってくることはなくなり、以前に比べて治安が良くなったという。

 5G建設が進むにつれ、今やスマート技術は居住区の隅々に入ってきた。マンホールのふたにはセンサーが設置され、マンホールの位置が動いたり、有毒ガスが発生したりすると、即座に5Gスマート・プラットフォームに警報が流れ、補修員が最短で現場に駆け付けて修繕を行う仕組みだ。ごみ箱も、中の量が一定のレベルを超えるとセンサーによって自動的に環境衛生の担当者に連絡が行き、適時に処理を行えるようになっている。

 注目すべきは、居住区内で、末端データの連結と同期化により完ぺきな高齢者ケアリンクをつくり上げている点だ。70歳以上の高齢者は、リストバンド式のセンサーを身に着けることで、血圧、心拍などのデータを随時確認でき、家族はアプリをダウンロードすれば、健康状況をいつでも把握することが可能だ。居住区内の高齢者ケアセンターの職員も、データを見ながら高齢者に対して必要なサービスを提供できる。(c)CNS/JCM/AFPBB News