【7月16日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米政権は15日、メキシコを通過後に米国南側の国境を越えて入国する多くの移民に対し、難民申請の資格を制限する新たな規制を発表した。

 議会で移民法の厳格化が進まず、ホワイトハウス(White House)が不満を募らせる中、16日に実施される予定の新たな規制は従来の難民申請資格を改めたもので、不法移民の流入を阻止しようとする米政権の新たな取り組みとなる。

 ウィリアム・バー(William Barr)米司法長官は、新たな規制により「経済移民(経済的向上を求める移民)や、米国に入国する権利を得るためわが国の難民申請制度を悪用しようとする人々による『フォーラム・ショッピング(法廷地あさり)』の減少」が見込まれると述べた。

 米国には最近、同国内に足場を築くための難民申請を出そうと、中米などの国々から数万人に上る移民がメキシコを通って流入している。ホワイトハウスが発表した新たな規制はこうした移民を対象としている。

 母国でまん延する暴力や貧困から逃れるためと訴える家族からの難民申請は増加している。申請の審査期間中、申請者は米国内にとどまり自由な移動が許可されている。同期間は2年に及ぶこともある。移民当局によると、申請者の多くは米国内で所在がわからなくなり、自身の審理が行われる際も出廷することはないという。

 新たな規制によると、米国南側の国境から入国する移民で、米国にたどり着くのに通過した国々で難民申請を出していない移民は、米国でも同申請を出す資格はなくなる。(c)AFP/Paul HANDLEY