【7月15日 AFP】タクラマカン(Taklamakan)砂漠の広大な砂丘、天山(Tianshan)山脈の雪に覆われた山頂──中国当局が、新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)をのどかな観光地として売り出している。その一方で当局は、ウイグル人ら地元の少数民族の施設収容を続けている。

 中国政府は同自治区で、イスラム教徒が多数を占めるウイグル人やチュルク語(Turkic)系の少数民族推定100万人を「再教育施設」に収容している。しかし一方で観光客向けの別世界をつくり上げ、注意深く選んだ伝統的風習や文化だけを観光客に紹介している。

 民族間の抗争によって緊迫し、異例の厳戒態勢で監視が行われている同自治区は、中国国内で観光地開発が急速に進んでいる地域の一つでもあり、武装警官や検問所の存在が休暇を過ごす人々の流れを止めることはない。

 政府統計によると、2018年の同自治区の観光客数は前年同期比40%増で、全国平均を25ポイント上回った。同自治区を訪れた観光客の大半が、国内旅行者だという。

 同自治区で旅行代理店を経営するウー・ヤーリー(Wu Yali)氏は、ここ数年の事業の成長は堅調で、その主な理由は「新疆が非常に安定している」ことだと説明した。

 同自治区のパッケージツアーには、カラクル(Karakul)湖や国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の世界遺産(World Heritage)に指定されている天山などの豊かな自然美が組み込まれている。