【7月15日 AFP】米アリゾナ州フェニックス(Phoenix)郊外で、10代の黒人少年が流していたラップ音楽に脅かされたとしてこの少年を殺害した白人の男が、第一級殺人罪で起訴された。地元当局筋が8日、明らかにした。

 マイケル・アダムス(Michael Adams)被告(27)は今月4日、フェニックス郊外ピオリア(Peoria)のコンビニエンスストアで、被害者のイライジャ・アルアミン(Elijah Al-Amin)さんに対して理不尽な敵対感情を抱き、アルアミンさんの喉に切りつけたとされている。

 アダムス被告は別の暴行事件で有罪判決を受けており、この事件を起こす2日前に刑務所から釈放されたばかりだった。

 裁判所文書によると、アダムス被告は捜査官らに対し、殺害の前に駐車場でラップ音楽を聴いていたアルアミンさんを目にし、その音楽に自分が脅されていると感じたという。文書は「アダムス被告は過去にラップ音楽を聴く人々(黒人、ヒスパニック系、先住民)に襲撃されたことがあり、ラップを聴くと不安な気持ちになったと語った」と述べている。

 同州マリコパ(Maricopa)郡のビル・モンゴメリー(Bill Montgomery)検事は、悲しみに包まれた11日の記者会見で、この殺人には目的がなく、少年は命を奪われる結果となった襲撃の理由となる行動は一切取っていなかったと述べた。

 一方、アダムス被告の弁護人は裁判官に対し、同被告は精神病を患っており、刑務所への収監よりも医療の助けを必要としていると訴えた。(c)AFP