【7月15日 AFP】スーダンで14日、準軍事組織「即応支援隊(Rapid Support Forces)」が抗議集会を行っていた住民に発砲し、民間人1人が死亡し、子ども1人を含む7人が負傷した。目撃者らと医師らが明らかにした。

 目撃者がAFPに語ったところによると、事件が起きたのは首都ハルツームの南東にあるセンナール(Sinnar)州エルスーク(El-Souk)。地元住民らが国家情報治安局(National Intelligence and Security ServiceNISS)の庁舎前で集会を開き、即応支援隊を町から退去させるよう要求していた。

 安全上の理由で匿名を条件に取材に応じた目撃者は「配置された即応支援隊のメンバーは、初めは空に向けて発砲していたが、後に住民らに向かって発砲した。男性1人が死亡し、複数人が負傷した」と語った。

 スーダンでは6月3日に、首都ハルツームの軍本部前で座り込みをしていたデモ隊が強制排除された際に発砲があり、100人以上が死亡した。デモ参加者や人権団体は、この事態を引き起こしたのは即応支援隊だと非難している。

 6月3日の強制排除で死亡した人たちの追悼集会が13日にハルツームを含む国内各地で行われた。複数の目撃者によると、エルスークの青年クラブで開かれた追悼集会に即応支援隊が踏み込み、その場にいた若者たちを殴打するなどしたため、住民らは国家情報治安局の庁舎に抗議に行ったという。

 同国のデモを主導してきた自由・変革同盟(Alliance for Freedom and Change)と連携している医師委員会は、14日に即応支援隊員が撃った銃弾を頭に受けた住民1人が死亡し、その他7人が負傷したと明らかにした。負傷者のうち1人は頭部を負傷した子どもだったという。 

■軍事評議会とデモ指導部の協議は延期

 一方、軍事評議会とデモ指導者との間で合意された統治機構の詳細について14日に協議が予定されていたが、デモ指導部の要請により延期された。デモ指導部側は「さらに相談するため」、16日に延期するよう要請したと明らかにした。(c)AFP