■チャンドラヤーン2号、月探査の概要

 インドは2.4トンの軌道船(オービター)を搭載可能なロケット「GSLV Mk-III」を開発。オービターは月の軌道上をおよそ1年間周回して、月面の写真や月の大気に関する情報を地球に送り返す計画。

 オービターには1.4トンの着陸船「ビクラム(Vikram)」が搭載され、ビクラムには27キロの探査車「プラギャン(Pragyan)」が載せられた。ビクラムはプラギャンを月の南極にある2つのクレーターの間にある高地に送り届けることになっている。

 プラギャンは太陽光を原動力とする、最大500メートル移動。月の1日の間(地球の14日間に相当)に画像やデータを地球に送信する。水の存在を示す証拠を探すとともに、石や土壌の分析も行う。

 インドは2008年に月探査機「チャンドラヤーン1号(Chandrayaan-1)」を打ち上げた。月への着陸はしなかったものの、軌道上からセンサーで月面に氷が存在する決定的な証拠を見つけた。

 月探査機が着陸に成功すればインドの宇宙計画にとって画期的な出来事となる。インドのナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相は2022年までに有人宇宙船を打ち上げると表明しており、国の威信が懸かっている。

 さらにインドは火星に探査機を送る意向も持っている。2014年には火星の軌道に衛星を乗せた世界で4番目の国になった。(c)AFP/Arun SANKAR