■月面から見た「青い地球」

 フロリダ州ケネディ宇宙センター(Kennedy Space Center)からサターンV型(Saturn V)ロケットが打ち上げられる様子は、340台以上のカメラによって撮影され、宇宙船内部からのカラー映像も生中継された。月着陸船イーグルの外側には白黒カメラと16ミリカメラが装備され、アームストロング氏がイーグルの扉を開けた瞬間からそこでの撮影が始まった。

 映像はかなり不鮮明だったが、地球で視聴している人々はほとんど気にしていなかったようだ。

 月面着陸は冷戦(Cold War)のただ中、またベトナム戦争(Vietnam War)で米国への批判が高まる中で行われ、米国の技術力の優位性を世界に知らしめるものとなった。

 アポロ11号について新たなドキュメンタリーを制作したフランスのシャルルアントワン・ドルーブル(Charles-Antoine de Rouvre)氏は、「アポロ11号は、あまりうまく撮影されなかったミッションの一つだ。なぜならば米国はロシアに先んじようと急いだため、乗組員の訓練が十分ではなかったからだ」と指摘する。カラーテレビがいっそう普及し、ついに一般的になったのも、アポロ11号の月面着陸のころだったとドルーブル氏は述べた。

 月面から見えた「青い地球」──人類にとって象徴的な瞬間は記録された。その後、この青い地球の映像は、当時生まれたばかりの環境保護運動を勢いづけるものとなった。

 映像は、1969年7月16、20、22、24日にNASAが撮影。(c)AFP/Séverine ROUBY