【7月14日 AFP】大型の熱帯暴風雨「バリー(Barry)」は13日、米ルイジアナ州沿岸に上陸した。域内は豪雨と強風に見舞われ、数百万人規模の住民は甚大な被害をもたらす洪水の発生を警戒している。

 バリーは一時大西洋海域で今年初めてのハリケーンに発達したが、上陸後に熱帯暴風雨となった。それでも強い勢力は維持している。上陸地点はルイジアナ州最大の都市ニューオーリンズ(New Orleans)の西に位置するイントラコースタルシティー(Intracoastal City)。

 午後4時(日本時間14日午前6時)現在、バリーは風速約28メートルで、米ルイジアナ州ラファイエット(Lafayette)付近にあり、時速約11キロで北北西に進んでいる。

 この日ニューオーリンズの空港は閉鎖され、数千人が避難した。防潮水門は閉じられ、災害発生に備えて緊急対策要員や州兵、ボランティアが配置された。

 バリーは既にメキシコ湾(Gulf of Mexico)沿岸に打撃を与え、ルイジアナとミシシッピ、アラバマの3州では激しい雨が降った。ルイジアナ州では数万人規模が停電に見舞われ、ジョンベル・エドワーズ(John Bel Edwards)知事は州内各地の住民に警戒を呼び掛けた。

 13日夜から14日にかけて、多いところでは250~500ミリの雨が降ると予想されている。

 メキシコ湾で発生したバリーの影響で沿岸や河川流域では大規模な洪水が発生する恐れがあり、多くの人の間では、2005年に甚大な被害をもたらしたハリケーン「カトリーナ(Katrina)」のつらい記憶が呼び覚まされている。カトリーナは比較的最近の米国史上で最も被害規模が大きく、多くの人命を奪ったハリケーンで、ニューオーリンズの約80%が浸水し、約1800人が死亡。被害総額は1500億ドル(約16兆円)を上回った。

 映像は、ルイジアナ州のイントラコースタルシティー、デルキャンブレ(Delcambre)、バーウィック(Berwick)、パターソン(Patterson)。13日撮影。(c)AFP/Michael Mathes