【7月13日 AFP】インドネシアの首都ジャカルタで13日、大統領選で再選されたジョコ・ウィドド(Joko Widodo)大統領(58)と、敗北した野党候補プラボウォ・スビアント(Prabowo Subianto)元陸軍戦略予備軍司令官が4月の選挙後初めてとなる会談を行い、和解を呼び掛けた。同国では大統領選の後、死傷者を伴う暴動が発生していた。

 プラボウォ氏とジョコ氏は13日、新規開通したジャカルタ都市高速鉄道(MRT)に共に乗車。

 プラボウォ氏はジョコ氏の隣に立ち、「ある人たちから、プラボウォはジョコ氏を祝わないのかと尋ねられた。私は礼節があり、直接彼にお祝いの言葉を掛けたかった」とし、「大統領であるということは国民に仕えることだ。彼が直面する問題は巨大で、私には手助けする用意がある」と話した。

 一方のジョコ氏は、大統領選に2度挑戦したプラボウォ氏との会談をMRTの車内で行うことを企画。その理由として、プラボウォ氏は高速鉄道に乗ったことがないのを知っていたからと説明した。

 ジョコ氏は「プラボウォ・スビアント氏と会えるよう、こうして調整してくれたことに感謝する。われわれの支持者双方も後に続いてほしいと希望している。われわれ全員が同じ国の同胞だからだ」と発言。「国民として団結しよう。世界的な競争は厳しさを増しており、われわれは国を発展させるためにまとまる必要がある」と訴えた。

 大統領選挙をめぐって選挙管理委員会は、ジョコ氏が55.5%の得票を得て、44.5%のプラボウォ氏に勝利したと発表。

 プラボウォ氏は大規模な不正行為があったとしてジョコ氏の再選取り消しを求めていた。だが憲法裁判所は先月27日、異議申し立てを棄却した。

 5月には首都ジャカルタで、公式結果に対するプラボウォ氏の支持者が抗議活動を展開。当初は平和裏に行われていたが、2晩にわたって警察と暴徒が路上で衝突を繰り広げる事態となり、9人が死亡、数百人が負傷した。(c)AFP