【7月13日 AFP】韓国の首都ソウルで12日、物議を醸す犬肉食への反対デモを動物愛護団体が実施した一方、養犬業者らが対抗デモを行い、犬肉を食べてみせたり、健康食品としてアピールするチラシを配布したりした。

 国会議事堂前では、犬肉の取引に反対するデモから離れた場所で、小規模ながらも声高な対抗デモが行われ、参加者たちは、「闘え! 団結せよ!」とのスローガンが記された鉢巻きを着用し、犬肉の切り身を辛口のタレに付けて食べて気勢を上げた。

 韓国では脂の多い赤身の犬肉が伝統的料理の一つとされ、毎年約100万頭の犬が消費されているものの、犬を家畜ではなくペットと捉えている考え方が受け入れられ、犬肉の消費量は減少。犬の食肉処理場の閉鎖が進み、国内外の動物愛護活動家は犬肉食を完全に禁止するよう圧力をかけている。

 だが養犬業者らは、犬の食肉処理の違法化を目指して紛糾している法的措置に反対するなど、粘り強く自らの主張を訴えてきた。

 養犬業者が配布したチラシには、「犬肉そのものはコラーゲンの塊で、肌にも良く、美人になれる」と書かれており、また高齢者の健康にとっても利点があるとし、「市民の皆さん、われわれの祖先が何世代にもわたって口にしてきた、伝統的かつおいしい犬肉を、恥じることなく食べてください。そうすれば幸せで健康的な生活を送れます」と訴えている。

 今回の2つのデモは、韓国の民間信仰で最も暑い日とされる「三伏」の初日に合わせて開催された。多くの韓国人は、この日に鶏肉もしくは犬肉を食べると、暑気払いができると信じている。(c)AFP