【7月17日 東方新報】中国華僑大学(Huaqiao University)厦門(アモイ、Xiamen)分校で5日、第14回外国公務員中国語学習クラスの修了式が行われた。主に「一帯一路(Belt and Road)」沿線国のタイやラオス、インドネシア、フィリピン、アラブ首長国連邦、カンボジア、ベトナムの7か国の警察署、商務省、議員、移民局などの部署から102人の政府官僚が1年の中国語学習期間を終えて、帰国後は中国とともに本国で「一帯一路」建設に貢献する「中国語遣い人材」としての活躍が期待されている。

 修了式には、中央統一戦線部第十局巡視員の湯翠英(Tang Cuiying)氏、華僑大学の徐西鵬(Xu Xipeng)学長ほか、タイ中国文化経済協会、フィリピン警察総署人事庁、ラオス総理府事務局、タイ駐厦門総領事館、フィリピン駐厦門総領事館から幹部が来賓として出席し、修了証を手渡した。

 こうした外国公務員向けの中国語学習クラスへの取り組みは、2005年から「タイ国防部軍官に向けた専門中国語学習クラス」といった形で始まっていたが、近年は、「一帯一路」沿線国をターゲットに絞り、中国が「一帯一路」戦略を実現する上で必要な外国政府内の人材育成という明確なテーマを担っている。今までにタイ、フィリピン、インドネシア、ラオス、カンボジア、マレーシア、アンゴラ、スリナム、アラブ首長国連邦、ベトナムの10か国の外国政府内に900人の優秀な「中国語遣い」人材を養成してきた。

 華僑大学の微博(Weibo)オフィシャルアカウントによれば、湯翠英氏は修了式のあいさつで、「外国政府官僚向け中国語学習クラスプロジェクトは、言語を懸け橋として、文化の融合によって心を通わせ、相互をかがみとする文明交流の重要な場となっている」と評価。中国の知恵と文化である中国語がますます世界の人々から愛され、お互いの心を結び付け、文化融合を加速し、「一帯一路」建設の新しい動力となることへの期待を述べた。

 徐西鵬学長も、「この学習クラス修了者が帰国後、中国の状況への深い理解と熟練した中国語を使い、中華文化を各地に伝え、中国と「一帯一路」沿線国の文化交流と友好の担い手として、各国の発展に積極的な貢献を果たしてほしい」と祝辞を贈った。

 この中国語学習クラスでは、中国語のヒアリング、会話、リーディングの必修課程のほかに、中国伝統音楽や舞踊、武術、絵画、民間手工芸といった各種の文化課程、講座が同時に開かれている。また、休日を利用しての首都の北京、安徽省(Anhui)黄山や、ハルビン(Harbin)の氷祭りといった観光地への「修学旅行」もアレンジされている。京東集団(JD.com)、人民日報(People's Daily)、中国交通建設集団などの中国を代表する企業の視察や、福建省警察学院との学生交流などのプログラムも盛り込まれている。

 「一帯一路」は近年、「債務のわな」「新植民地主義」といった非難を浴びることもあるが、こうした学習、活動を通じて中国に理解と親近感をもつ官僚を相手国政府内に要請しておけば、相互理解不足によるトラブルは避けられ、「一帯一路」戦略協力の促進につながりそうだ。

 華僑大学は1960年に創立、周恩来(Zhou Enlai)首相が自ら批准した中国最初の「華僑」の名前を冠にした大学で知られている。(c)東方新報/AFPBB News