【7月19日 東方新報】このほど発表された2019年中国飲食業年度リポートによると、2018年の中国飲食業界の総売り上げは4兆2716億元(約67兆円)に上り、前年比9.5%増だった。景気が減速しても中国人の食に対する欲望は、世界三大料理の一つに数えられる中華料理の本場だけあって、旺盛だ。

 このリポートによれば、一番飲食業がさかんなのは、「食在広州」の広州(Guangzhou)がある広東省(Guangdong)ではなく、山東省(Shandong)。2018年の山東省の飲食業売り上げは3995億元(約6兆3000億円)でトップだった。2位以下は広東、江蘇(Jiangsu)、河北省(Hebei)がいずれも売り上げ3000億元(約4兆7000億円)以上で、続いている。

 中国人に一番人気がある外食は火鍋(鍋料理)で、2018年の火鍋市場の総売り上げは8757億元(約13兆7000億円)で2014年と比べて実に52%増。2019年には全国の火鍋屋の総売り上げは9600億元(約15兆円)に達するという予測もある。中でも四川省(Sichuan)、重慶(Chongqing)の激辛火鍋が人気で、人気企業トップ20のうち、11が四川火鍋、重慶火鍋という激辛スープ系が占めている。またファストフードチェーンのトップ10でも、「麻辣燙」(マーラータン、Malatang)を看板にしている上海楊国福と張亮が入っている。

 一方、宴会料理市場は依然、飲食企業の柱の一つで、結婚披露宴を主要業務とするホテルが宴会飲食消費の50.67%を占めた。結婚披露宴市場は飲食業界にとっては新しい利益を見込める分野だ。以前に比べると結婚披露宴のテーブル数は明らかに減少し、小規模化しているが、セレモニー感やクオリティーに対する要求が高くなっているため、そのあたりが新規開拓の鍵だとリポートは指摘している。(c)東方新報/AFPBB News