【7月13日 AFP】テニス、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2019)の男子シングルスで4度の優勝を誇るノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)は、12日の準決勝で不機嫌なしぐさを見せていたことについて、自分に対する観客の誠意が欠けていたためではないと否定した。

 14日の決勝でロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)と対戦することが決まったジョコビッチは、ロベルト・バウティスタ・アグト(Roberto Bautista Agut、スペイン)に勝利を収めたこの日の準決勝で、明らかに落ち着きがない様子を見せていた。

 ジョコビッチは試合中に何度もラケットを交換したり、ポイント間に笑わないように観客に注意することを審判に要求したりしていた。また、自分がポイントを取ったときは耳に手を当てたり、観客席に向かって鋭いにらみを利かせて、人さし指を口に当てたりする場面もあった。

 しかしながら、試合後には自分の感情に一線を引いて、表向きの対応を示すことに必死になりながら、「いいや、自分のやるべきことに集中していただけだ」と主張した。

「観客は彼(バウティスタ・アグト)の反撃やリードを望む場面があった。なぜなら、彼はこの試合でアンダードッグだったからだ」「それは理解できる。自分もここでずっと応援してもらっていたから、別に文句はない」

 観客からの声援や愛情のレベルが、偉大なライバルであるフェデラーやラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)と同じとはいえないジョコビッチは、重要な試合で感情が激しく揺れ動くのはごく自然なことであるとして、「何もおかしくない」「感情的になる瞬間はある。特にこうした大一番では、いつものことさ」と強調した。

「少なくとも自分はそうだ。感情がむき出しになるときもあれば、そうでないときもある」「何も特別なことじゃない。落ち着いた気持ちでいられなくなるのは、よくあることだ」「フラストレーションがたまることはある。重要なのはすぐに気持ちを切り替えることだ」

 今大会で優勝すればグランドスラムで通算16回目のタイトル獲得となり、フェデラーの通算20勝まであと4勝と迫るジョコビッチは、14日の決勝では感情を制御できるだろうとの認識を示し、「いいかい、センターコートでフェデラーと対戦するのは、これが初めてというわけじゃない」と話した。

「数回は経験していることだ。言った通り、どうするべきかは予測できる」「試合に出たら、戦うことに全力を尽くす。それがウィンブルドンのファイナルだ」 (c)AFP/Pirate IRWIN