【7月13日 AFP】テニス、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2019)は12日、男子シングルス準決勝が行われ、大会第2シードのロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)は7-6(7-3)、1-6、6-3、6-4で第3シードのラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)を下し、オールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブ(AELTC)で自身12回目の決勝進出を果たした。

 通算8度の大会制覇を誇るフェデラーは、往年のライバルであるナダルとの40回目の対戦を制し、歴史的名勝負として名高い2008年大会の決勝で同選手に黒星を喫してから11年が経過したこの日の一戦を「これまでで最高の試合の一つ」と振り返った。

 キャリア31回目となる四大大会(グランドスラム)決勝で、フェデラーは前回王者のノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)と対戦する。ウィンブルドンを計4度制している第1シードのジョコビッチは、第23シードのロベルト・バウティスタ・アグト(Roberto Bautista Agut、スペイン)を6-2、4-6、6-3、6-2でねじ伏せ、同大会で通算6回目にしてメジャー大会で25回目の決勝に駒を進めた。

 フェデラーは、今回のナダル戦の点数をつけるとしたらと問われると、「極めて高いことは間違いない」と答え、「ここでラファと対戦するのは、いつだってすごくクールだ」「自分にとっては、これまでで最高の試合の一つだよ。なぜなら、相手はラファでウィンブルドンだからだ」とコメントした。

 1974年のウィンブルドンと全米オープンテニス(US Open Tennis Championships)では、当時39歳のケン・ローズウォール(Ken Rosewall)氏が決勝進出を果たしており、今回のフェデラーは男子シングルスで史上3番目の年長記録でグランドスラムのファイナリストとなった。

 しかしながら、フェデラーが通算21回目のグランドスラム制覇を果たすには、14日の決勝で大仕事をこなす必要がある。メジャー15勝のジョコビッチ戦では通算22勝25敗と負け越しており、「ノバクは前回王者で、今週はそれを示している」と警戒した。

「彼は本当に安定している。どうにかして追い詰めてやるつもりだが、相手はだてに世界1位なわけじゃない」「だけど少なくとも、対戦するのはすごく楽しみだ」

■ナダル「負けて残念」

 この日の準決勝は、2008年大会の決勝のように決して手に汗握る劇的な試合ではなかったものの、フェデラーは5度目のマッチポイントでようやく勝利を手にした。

 ナダルと対戦した先月のローラン・ギャロス(Roland Garros、全仏オープン)準決勝で、フェデラーはグランドスラムでは11年ぶりの惨敗を喫しており、今回の勝利について特に意識することはないとみられる。

 一方、昨年大会の準決勝ではジョコビッチに敗れたナダルは、「きょう負けたのは残念だ。またしても機会を逸してしまったからね」「だけど、グランドスラムのファイナルに行くチャンスをもう一度つくれたとも言える」と語った。

 ナダルはまた、「自分の日ではなかったと受け入れるしかない。自分は最高の試合をした。そのことを前向きにとらえていく」とする一方で、「それと同時にきょうは残念だ。なぜなら、チャンスは永遠にくるわけじゃないからね」と悔しそうに付け加えた。(c)AFP/Dave JAMES